2018年2月23日金曜日

長楽寺

~死んだらここで眠りたい絶景霊地~

『円山公園』「龍馬&慎太郎像」の右手の公園出口を出て、そこから左の坂をひたすら登って行きます。




途中から献燈が並ぶ石段の参道に変わり、更に進んで行った突き当りに『長楽寺(ちょうらくじ)があります。







『長楽寺』天台宗の開祖最澄(さいちょう)が『延暦寺』の別院として805年に創建した歴史あるお寺ですが、歴史的に見ると建礼門院(けんれいもんいん)こと平徳子(たいらのとくこ)が出家したお寺として、特に「平家物語」なんかで有名です。 

平徳子平清盛(たいらのきよもり)の娘で、高倉天皇(たかくらてんのう)の中宮となり安徳天皇(あんとくてんのう)を儲けました。 


安徳天皇117812月に生まれましたが、1180年1月に父が亡くなってしまい満1歳4ケ月(数え年で3歳)の若さで即位することになりました。当然お飾りなので実験は叔父の清盛が担いましたが、その叔父も11813月に亡くなります。 

ここからおごれる平氏の凋落が始まり、1185年に「壇ノ浦の戦い」平氏は滅亡し、その際安徳天皇も入水自殺しわずか6歳4ヶ月の短い生涯を終えるという悲劇の天皇として有名です。

徳子も当然共に入水を試みましたが源氏によって救助され一命を取り留めてしまい、他の生き残った平氏一門が裁かれていく中、先帝の母親ということもあり罪に問われず生き延びることとなり、『長楽寺』で剃髪して出家した後、大原の地に移り住み生涯を閉じることになりました。







入口の受付に誰もいないので呼び鈴(だったかな?)を鳴らすも誰も来ず、何度かやっている内にようやく若いお坊さんが来て、拝観料と御朱印帳を渡して中に入ります。

しかし「御朱印を書いたら受付に置いておきます」と言われ、その後取りに行った時にやっぱり誰もおらず御朱印帳だけがポツンと置いてありました。

大体10分くらいでその間他の人は誰も来ていませんでしたし、実際他人の御朱印帳なんかわざわざ盗ったりはしないでしょうが、それでもあまりにも無防備過ぎて不安っちゃあ不安だし、この後も何ヶ所かこのシステムの所はありました。

まぁ人もいなくて忙しいだろうから仕方ない話ではあるけれど、これって過去にどこかで変なトラブルとか起きたことは無いんですかね?








入口を登ってすぐ左手にある屋敷の中には、相阿弥(そうあみ)『銀閣寺』のプロトタイプとして作った庭園「園池(そのいけ)があります。












狭いながらもさすがに綺麗な造りになっていて、緑色の池も幻想的なムードを演出してくれています。

『長楽寺』は紅葉の隠れスポットとしても有名で、参道屋敷の中からの写真なんかが雑誌でも紹介されたりしていて、まぁ~美しい景観が観れるので、ぜひとも一度観てみたいものです。(*´∀`)



屋敷を出て、一旦受付に戻って御朱印帳を速やかに回収した後、いよいよ境内の散策開始です。 








『長楽寺』は木々に囲まれた石段の参道を登っていきます。






こちらが「本堂」で、この周辺も中々の紅葉スポットの様です。

『長楽寺』「本堂」西加茂1666年に造営された『正伝寺(しょうでんじ)の仏殿を1890年に移築したものです。

京都市内では希少な本格的な小規模禅宗様仏殿の遺構として貴重な建築様式となっています。





こちらは建礼門院も修行をした「平安の滝」です。

この流れ落ちる水は、甘く、冷たく、軟らかく、軽く、清らか、無臭、のどを損なわず、腹を痛めないといった8つの優れた性質を持つことから「八功徳水(はっくどくすい)と呼ばれる名水です。




こちらは「収蔵庫」です。

中には一遍上人(いっぺんしょうにん)の立像など貴重な品々が収蔵されていました。


しかしこちら2008年に火災で全焼してしまいましたが、火災直後にこれらの貴重品の数々は運び出すことが出来たため不幸中の幸い、何とか無事でした。

でもこんな緑の山に囲まれた所で火事って、下手すりゃとんでもない山火事になってる危険もあったでしょうし、本当に気を付けないとですね。



中は当然撮影禁止なので画像は無いのですが、一遍上人の立像はぜひともぐぐって一度見てもらいたいです。

修行の厳しさを感じさせるやせこけた頬と鋭い眼光でありながら悟り切った落ち着きも漂わせている不思議な表情で、何とも生々しい像です。

作ったのは運慶流派の康秀作とのことですが、イマイチ素性の分からない人です。






更に石段を登り竹林の小路を進みます。






竹林の先は『尊攘苑(そんじょうえん)という墓地になっていて、山のあちこちにお墓があります。

水戸藩士や幕末に尊王攘夷(そんのうじょうい)で活躍した人たちに、地元の名士など多種多彩な人たちが葬られていました。









中には道から外れた所にひっそりと眠っているお墓もあって結構けもの道なんかも散策しましたが、色々と彷徨っている内にふと神聖な地を勝手に踏み荒らしてる感じがしてきてちょっと怖くなって気もしました(´p_q)

いやまあ途中に「ここに誰それのお墓があります」って親切に教えてくれてるMAPなんかも設置されているからどんどん散策しちゃってOKっていう所なんでしょうけれど、それでも基本墓地だからあまり気持ちの良いものではないですね( ̄ヘ ̄;)


写真は撮っていないのですが京都が一望出来る絶景スポットもあって、古くから文人墨客たちに「洛中一絶景の霊地」なんて呼ばれております。

確かに今回ここを散策していて、自分が死んだらこんな感じにひっそりと静かな山奥だけど、自分が住んでいた街並み(おいらは京都人じゃないけれど)が見渡せる景色の良い所でずっと眠っていたいななんて思っちゃったりもしましたね ZZzz.(¦3[▓▓]




それにしても『長楽寺』には30分ほどいましたが、ちょうどおいらが帰る時に入れ違えで女性が1人庭園に行っただけで、他に誰もいなくて本当に静かに散策出来ました。(そのせいで墓地がより怖くなったけれど)


ちょうど昼時だったからというのもあるのでしょうが、『円山公園』のすぐ近くなのにこんなに来ないもんかねと。 (○´^`○)

今度は紅葉シーズンにぜひ再訪したいとは思うものの、さすがに混んでるでしょうね (*´・д`)





『長楽寺』の御朱印>









『長楽寺』

開門時間・9:0017:00
拝観料・500
休館日・木曜日
宗派・時宗
ご利益・無病息災、開運招福
交通アクセス
 京阪『祇園四条駅』から徒歩20
 阪急『河原町駅』から徒歩23
 バス『祇園』から徒歩10

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