2018年2月21日水曜日

食事処 日野家

~スズメを食べて五穀豊穣

伏見稲荷周辺の探索も終わり『稲荷駅』へ戻ってきました。帰る前に軽く腹ごしらえと参道へ行き『お食事処 日野家(ひのや)へ。




ここの軒先で『伏見稲荷大社』の名物「スズメの焼き鳥」を食べました。(o^Θ^o)チュンチュン






スズメを食べるのはちょっと抵抗があるけれど、スズメは農作物を食べてしまう鳥なので、それを退治するためということで生まれました。

スズメは小さい鳥ですが、焼くとふわっふわの毛が無くなるため更に小さくなってひと口サイズになります

「スズメの焼き鳥」は小骨が多くて肉も少ないから、確かにあまり一般的に食べられないわけだね。


こんなちっちゃいので500円もするし、まぁ記念だね。

ちなみに『日野家』では「スズメの焼き鳥」よりも一回り大きい「ウズラの焼き鳥」もありました。







あとはお土産屋を覗いて早くも色々と購入してしまったりもしましたが、
京都駅』前にあるドンキ・ホーテで買い物をしたいというのもあったので、2日目はこれにて終了です。


午前中は『伏見稲荷大社』の人込みの中に居て、午後は一転ほとんど人のいない静かなお寺でまったりとしていました。


いずれも良いお寺だったのに『伏見稲荷大社』からこっちに流れてくる人がいないのは不思議な感じですが、普通の観光客は大体2~3泊からせいぜい1週間程度の滞在でしょうから、『伏見稲荷大社』の後は北上して『清水寺』『祗園』に行くか、もしくは『東寺』に行ったり京都駅』周辺を探索するか、場合によっては『平等院』に足を延ばすのがスタンダードなんでしょうね。

今回のおいらの旅が1ヶ月掛けてメインの観光地とその周辺をじっくりと散策というスタイルだからこそ、見落としがちなこういうマイナースポットの良さを発見
出来るんですね。


この後の新しい出会いに期待を膨らませつつ、この日は登山ばっかりで歩きまくったので運動不足の身には大分応えたので、明日の旅に一抹の不安も。(^-^;)



そして御朱印も『伏見稲荷大社』でこそ5枚頂いたものの、午後は4つ逃してますね。まだまだ慣れるまで時間が掛かりそうです。



『お食事処 日野家』

・スズメの焼き鳥・・・500円

営業時間・10:30~17:00
定休日・不定休
交通アクセス・
 JR「稲荷駅」から徒歩2分
 京阪本線「伏見稲荷駅」から徒歩4分
 バス「稲荷大社前」から徒歩5分

HP・http://inari-village.com/hinoya?locale=jp

瑞光寺

~伊達騒動から生まれた縁切り寺~

『宝塔寺』を出て南へすぐの所に『元政庵(げんせいあん)こと『瑞光寺(ずいこうじ)があります。






石段をちょっと進んだ先にある山門はかやぶき屋根になっている珍しい造りのものですね。





境内はあまり広くなく、それほど長く滞在していなかったからというのもありますがおいら以外には誰も人がおらず、非常に静かな落ち着いた空間でした。





『瑞光寺』本堂もかやぶき屋根になっていて、パッと見本堂には見えません。てゆーか、ぶっちゃけこれが本堂だったの!?って、今気がついたくらいです。Σ(,,゜∀゜,,;)






山門入ってすぐ横の所には帝釈天吉祥天を祀っている小社もあります。




本堂があんな感じでもあるので、全体的にお寺っぽくないんですよね。





今ブログを書きながら『瑞光寺』について調べている内に、2点気になるネタを見つけました。



まずは『瑞光寺』が所有している重要文化財として、あの長屋王(ながやおう)文武天皇が崩御した時に書いた経文の「長屋王願経(がんきょう)というものがあって、これを今年は4/29~5/8まで公開していたそうです。


長屋王と言えば奈良時代の729年に、藤原四兄弟の陰謀によって自殺に追い込まれてしまった「長屋王の変」で有名な歴史上の人物です。

個人的に数年前から長屋王がマイブームなので色々と調べてみたいのですが、あまりにも長屋王について取り扱っている書籍の類が無さ過ぎて困っていましたし、今回の旅行でも当初は奈良県の方にも2~3回行く予定でいたので、その時には奈良にある長屋王邸跡やお墓に行きたいと思っていたくらいでした。

経文を見たくらいで何が分かるという訳でもありませんが、京都には長屋王ゆかりのものが特に見つからなかっただけに、ちょっと悔しいですね。(´・ω・`)

まぁこればっかりはタイミングですので見れなかったのは仕方ないのですが。



もう1点は『瑞光寺』は縁切り寺と言われているのですが、その由来が中々に興味深いものでして。


『瑞光寺』1655年に元政上人(げんせいしょうにん)こと日政(にっせい)が草庵を結んだのが起こりとなっていますが、そもそもこの元政上人が出家することになった原因が。

元政は元々江戸で井伊に仕えていまして、その時吉原の花魁(おいらん)と恋仲になったのですが、仙台藩主の伊達綱宗(だて つなむね)に横恋慕されてしまった挙句に花魁が綱宗に殺されてしまい、このショックから元政は出家することになり、その話が元となって『瑞光寺』は縁切り祈願の信仰を集めることになったそうです。



それでこの時恋仲になったのが吉原の三浦屋高尾太夫(みうらやたかおだゆう)という花魁なんですね。

高尾太夫と言えば、落語ファンにはお馴染みでしょうが「紺屋高尾」という噺がありまして、おいらも一番好きな噺なのですが特にこの高尾太夫とは関係なく。

高尾太夫とは吉原にあった三浦屋という妓楼のNo.1の遊女に代々名乗らせていた名前で、「紺屋高尾」高尾太夫は七代目(五代目説もあり)で、綱宗にころされたのは三代目(二代目説もあり)となってます。

伊達綱宗はかの伊達正宗の孫でしたが典型的なバカ殿で、放蕩三昧の生活を咎められ21歳の若さで楽隠居の身分になってしまった人でした。そしてそれが元となって、三大お家騒動と言われる「伊達騒動」が引き起こされてしまい、これら一連の騒動は歌舞伎の「伽羅先代萩(めいぼく せんだいはぎ)という演目で取り扱われるほどでした。

もっともこの一連の話どこからどこまでが真実で、どこからどこまでが物語なのか、結構眉唾だったりはするのですが、小さいお寺のわりにはそんな歴史的背景があったりするんですね。



実際に縁切りをするには元政お墓へお百度参りをしなければいけないのですが、そのお墓がJRの線路が引かれた際に分断されてしまって、線路の反対側に行かなければいけないとのことです。





これにて『伏見稲荷大社』周辺の探索も終わり、小腹が空いてきたので腹ごしらえに再び『伏見稲荷大社』の方へ戻ることにします。(・ω・)グゥー





『瑞光寺』

開門時間・10:00~17:00
宗派・日蓮宗
ご利益・縁結び、縁切り
交通アクセス・
京阪『深草駅』から徒歩8分
 JR『稲荷駅』から徒歩15分
 バス『龍谷大学前』から徒歩10分


宝塔寺

~七面倒くさくないお寺でぷち登山~

『石峰寺』を離れて次の目的地へ向かう途中に京都の名水のひとつと言われる『茶碗子の水(ちゃわんこのみず)のある井戸がありました。





名水と言われる宇治の水よりも良いとかで、お茶の席に重宝されたようです。




次の目的地の『瑞光寺(ずいこうじ)へ向かう途中に何やら立派なお寺の門がありました。




手持ちのガイドブックで特に詳しく紹介されていなかったのでスルーしていましたが、『宝塔寺(ほうとうじ)という日蓮宗の結構大きな寺院だったので、こちらに立ち寄ってみることにしました。



元々は899年に藤原時平(ふじわらのときひら)が建立した『極楽寺(ごくらくじ)という真言立宗のお寺で、『源氏物語』でも名前が出てくるほどの由緒あるお寺だったようです。

しかし鎌倉時代の末期に、時の住持良桂(りょうけい)日蓮の弟子の日像(にちぞう)に帰依して日蓮宗に改宗して、その時に今の『宝塔寺』となったようです。

昨日の『妙蓮寺』に続いて、また日像ゆかりのお寺ですね。





山門を潜ってみるとゆるやかな登り坂の石畳の参道になっていて、ここは時代劇のロケなんかでも度々使用されているそうです。




その途中に計7つの塔頭がありましたが、どこも拝観はしていませんでした。基本的にあまり観光地化はしてないようですね。






坂を登った所にある仁王門は色鮮やかな真っ赤な造りになっていて、お出迎えしてくれる金剛像も真っ赤っ赤でした。

仁王門の天井板には約250枚の牡丹の花が描かれていて中々見事なようですが、おいらは残念ながら気づかずスルーしてます。色々な所に気を配らないとダメですね(´・ω・`)





本堂は1608年の創建で、日蓮宗の中では最古のものとのことです。





『宝塔寺』の名前の由来にもなっている「多宝塔」は、室町時代建立の現存する京都最古のもので重要文化財になっております。

そんな歴史抜きでも中々絵になる格好良いデザインですよね (人*´∀`) 






本堂の左側の長廊下を潜った先に七面宮参道というのがありましたが、参道の途中で木の伐採作業をやっていて通行しにくかったのでちょっと境内の探索を続けてみると。





本堂の右手にも参道があったのでこちらから登ってみました。








参道の中継地点にて日像上人本廟があります。1枚目の像は日蓮上人、2枚目の像の経一丸さま日像上人の幼名だそうです。3枚目は鬼子母神を祀っている千仏堂です。








再び七面宮へと続く参道を進みます。







てっぺんの七面宮に到着すると、まずは七面天女を祀る七面堂がありました。七面天女吉祥天のことで、中に尊像があるそうですが、通常は非公開となっています。

ちなみに七面宮は元々は『極楽寺』の鎮守社だったようです。






七面宮の周辺には他にも色々と祀っておりまして、1枚目が妙見さまを祀っている妙見堂、2枚目は常冨稲荷、3枚目が熊鷹大明神

あと見たかどうか記憶に無いのですが、都々逸(どどいつ)大明神なんて変わった神様も祀っているようです。







       ※七面堂の横に馬。


何やらかわいらしい招き犬?は、どこに居たのかまったく記憶にございませんw





『宝塔寺』はまったく予定に無い所でしたが非常に見所も多い上に、基本的に観光地化していないからかほとんど他の観光客がいないというか、おいら以外に2人しかいなかったので非常に静かでのんびり出来ました (*´∀`*) 



最初の参道も七面宮への石段も意外に歩きやすく脚に優しい感じだったので、結構登ったわりにはあまり疲れていない記憶がありますね。観光地化していないわりには参拝客に優しいお寺という印象でした(・ω・)ノ



まぁここでも御朱印をもらい損ねていますが、他所のブログを見るとあそこでもらえたのか?って。

御朱印集めが軌道に乗るのはもう少し先ですね(^ー^;)







『宝塔寺』

開門時間・自由
宗派・日蓮宗
ご利益・肺病平癒
交通アクセス・
 京阪『深草駅』から徒歩10分
 JR『稲荷駅』から徒歩10分
 バス『龍谷大学前』から徒歩11分

HP・https://kanko.city.kyoto.lg.jp/detail.php?InforKindCode=10&ManageCode=433

石峰寺

~五百羅漢にいたずらしたらあかん~

『伏見稲荷大社』の喧噪を離れ『東丸神社』の脇の道を進んで次の目的地へ (/・ω・)o 




いかにも京都の裏路地といった雰囲気の道を進みます。今までが賑やかだったので落ち着くね~ (*´`*)

手持ちの地図がちょっと分かりづらくて少し行き過ぎてしまってちと迷ったりもしたけれど、『伏見稲荷大社』から徒歩10分くらいの所にある『石峰寺(せきほうじ)に無事に到着。

とは言えちょっと分かりづらい所にあるので、これから行かれる方は迷わない様に気をつけた方がいいですね (`・д・´)b







階段を少し登った所でお出迎えしてくれている『石峰寺』の山門は中華風の真っ赤な門で、禅宗様式の竜宮造という珍しい形のものです。






『石峰寺』は日本の三禅宗のひとつ黄檗宗(おうばくしゅう)の寺院です。

ただ黄檗宗と言っても、正直おいらは今回初めてその存在を知ったくらいあまり馴染みのないものですし、それ以前にまずこの字読めないですよね。 ̄~ ̄

黄檗宗は江戸時代に来日した中国(当時は丁度、明から清に移り変わる時)の僧 隠元 隆琦(いんげん りゅうき)が伝えた宗派で、元々は臨済宗(りんざいしゅう)の一派のようですね。

我々に馴染みのあるネタとしては、この隠元が日本に持ち込んだのがご存じインゲン豆とのことで、名前の由来もこの人から来ているそうです。



黄檗宗の大本山は『石峰寺』の南、宇治の近くにある『萬福寺(まんぷくじ)ですが、残念ながら今回の旅では行けませんでした。(´・ω・`)




『石峰寺』の名物は、江戸時代の画家伊藤若沖(いとう じゃくちゅう)デザインの五百羅漢(ごひゃくらかん)です。

伊藤若沖はリアルなニワトリの絵なんかで有名な江戸時代を代表する人気画家ですが、その若沖が晩年を過ごしたのが『石峰寺』で、境内には若沖の墓や石碑があります。






境内の見学は自由ですが、五百羅漢がある山に入るには拝観料が必要で、残念ながら写真撮影とスケッチは禁止とのことです。





この赤門の先が五百羅漢の居る裏山で撮影できるのはここまでです。



五百羅漢ってのは、ざっくりと言えばお釈迦様が亡くなった時に行われた会議に集まった弟子500人のことで、その五百羅漢を石仏にしたものが日本のあちこちにあります。



おいらは今から14年前に岩手県の遠野の山奥にある五百羅漢を観に行って、危うく遭難しかけた事がありましたが(苦笑)

ただ遠野の五百羅漢は全く人の手入れが為されていないからなのか完全に風化してしまっていて、ほとんど仏の判別がつかずただの石の群れになってしまっていました。(だから見落としてしまったわけですが)

それから訪れていませんが、今はより一層劣化してしまってるんでしょうね。



遠野の五百羅漢のイメージがあったのでさほど期待はしていなかったのですが、遠野のものとは比べ物にならないくらいに『石峰寺』五百羅漢は綺麗な状態に保たれていました。



『石峰寺』五百羅漢は「釈迦の誕生」から「涅槃」までのお釈迦様の人生から、「説法の様子」「十八羅漢」「弟子たちの托鉢」「座禅」「賽の河原」などを表現していて、回りが竹林に囲まれていることも相まって中々見応えがありましたね。


他の所の五百羅漢の中には(例えば埼玉の川越の喜多院(きたいん)のもの)結構リアルな造りの石仏もありますが、『石峰寺』五百羅漢の石仏はシンプルな造りのかわいいゆるキャラちっくなものです。

だからなんでしょうか、数年前にちょっと人気になった様で写真集なんかも出版された様です。


ただその知名度が上がってしまった弊害なのでしょうか、2007年に小学生のいたずらで石仏が約30体倒され、うち5体が壊れてしまうという事件が起こったり、2012年にも輩が柵内に入って石仏に勝手に帽子を被せたり蝋燭を立てて撮影会を行うというトラブルが発生してしまい、これが原因で以前はOKだった写真撮影やスケッチ禁止という厳しいルールが出来てしまったようです。

確かに人の目が届かない山奥なのでその気になればやりたい放題出来るわけですが、迷惑な行為は本当に勘弁してもらいたいものです ヽ(`Д´メ)ノ プンスカ



ただすっかり沈静化してしまったのか、今回おいらの他には3~4組しかおらず非常に閑散としていました。

お蔭でゆっくりと楽しむことは出来ましたが、『伏見稲荷大社』のすぐ近くなのですから、もう少しセットで来る人がいても良さそうなのに不思議ですね。







ここでも御朱印をもらえたんだねorz







『石峰寺』

開門時間・9:00~16:00
拝観料・300円(五百羅漢)
宗派・黄檗宗
交通アクセス・
 京阪『深草駅』から徒歩5分
 JR『稲荷駅』から徒歩8分
 バス『龍谷大学前』から徒歩11分

HP・http://www.sekihoji.com/