『興聖寺』の帰り道、宇治川沿いの道すがら「朝霧橋」の手前にある坂道の上の方に何やら石像の様なものが目に入りました。
石像から更に右へ登った所に『恵心院(えしんいん)』というお寺があり、山門も開いていたので入ってみました。
手持ちのガイドブックには地図に名前が記されているのみで、住処に置いてある「京都大知典」という結構細かい所まで紹介されているガイドブックにすら紹介されていないお寺ですが、調べてみるとここも意外にと言っては失礼な位の由緒あるお寺でした。
『恵心院』は822年に空海(弘法大師)によって建てられ、元々は唐の『青龍寺』に似ているため『龍泉寺(りゅうせんじ)』と名付けられました。
ちなみにさっきの石像は弘法大師ですね。
『平等院』が出来たのが1052年ですので、相当の歴史ある古刹です。
本家の『青龍寺』は廃れたり復活したりを繰り返しながら1982年に復興されて以降は健在ですが、写真を見るとかなり立派なお寺ですので、『龍泉寺』が同規模のものだとしたら当時は相当力のあるお寺だったのではないでしょうか。
詳細は不明ですが『龍泉寺』はこの後廃れてしまい、1005年頃日本の浄土教の祖である恵心僧都源信(えしんそうず げんしん)により再興され、その時から源信の名にちなみ『恵心院』となりました。
『恵心院』は藤原家、豊臣秀吉、徳川家康と時の権力者の庇護を受けていましたが、中世に兵火によって衰退したり、1649年の『興聖寺』建立の後にどんどん縮小されてしまって、現在では非常に小さなお寺になってしまいました。(´・ω・`)
この辺りの浮き沈み具合は本家の『青龍寺』と似てますね。
そしてこの源信ですが、この人はまたも出ました「宇治十帖」の「浮舟」において、『宇治神社』の前にいる石像でお馴染みの浮舟が自ら命を絶とうとした時に助けた横川の僧都(よこかわのそうづ)のモデルと言われています。
今ではすっかりこじんまりとしてしまってガイド本にも載らないほどになってしまった『恵心院』ですが、四季折々色々な花が咲き乱れ「花の寺」と呼ばれる程の知る人ぞ知る人気スポットとなっているようです。❀❁✾✿
毎度のことながら今回の旅は本当に花関係はダメダメです。(´・ω・`)
この木は有名な福島の「三春の滝桜」の子らしいですが観たかったな~。
春を過ぎると参道に山吹の花が咲き乱れ、「宇治十二景」の「春岸酴釄(しゅんがんのやまぶき)」と呼ばれる美しい景色になるようなので、ベストシーズンは4~5月ですかね。
かろうじて花が咲いていたのはこれ位です。残念ながら今回は狭いお寺だな、くらいの感想しか無かったですが、マジでここは花の綺麗なシーズンに絶対に再訪します。(`・ω・´)
ただし思いがけなく御朱印を頂けたので、それだけでも十分に満足です(*^o^*)
この後は『宇治上神社』の裏にある大吉山(だいきちやま)展望台が絶景スポットとのことで登山も考えて麓まで行ってみましたが。。。
さすがにもう余力が残っていないので、今回はパスすることにしました。(><;)
登山口の所に与謝野晶子の石碑。
帰り道に『源氏物語ミュージアム』がありましたが、既に入館時間は終了していました。(※16:30までです)
3日目の宇治観光はこんな感じで終了しました。
出発が遅かったこととか、回る順番も効率を考えると「朝霧橋」を渡った後でまずは『興聖寺』に行ってから、『恵心院』→『宇治神社』→『宇治上神社』と回っていけば、最後に『源氏物語ミュージアム』も観れたかもしれません。
そして更に余力があれば登山でラスト。今回はまだ2月で陽が早い時期なので綺麗な夜景が観れてたかもしれませんね。
当初は時間に余裕があったら『宇治駅』の1つ前の『三室戸駅』にある『三室戸寺(みむろとじ)』か2つ前の『黄檗駅(おうばく)』にある『萬福寺(まんぷくじ)』も考えていましたが、さすがに無理でしたね。
まぁスタートが遅かった時点でここは端から無理だとは思っていましたが、結局この2つは今回の旅では行けませんでした。
(´・ω・`)宇治が微妙に遠いからねー
ただし『源氏物語ミュージアム』から『三室戸寺』が徒歩15分くらいで行けそうなので、うまく回ればここはセットで行けそうですね。
よくよく見ると『萬福寺』は「黄檗宗」大本山だけあって結構大規模寺院みたいなので、宇治周辺を制覇しようと思ったら2日掛けてじっくりと観光しないと無理っぽいですね。
今日の御朱印は神社4つ、寺院4つの計8つ。初日の7つを超えました(・∀・)
<『恵心院』の御朱印>
『恵心院』
開門時間・境内自由
宗派・真言宗智山派
交通アクセス・
JR『宇治駅』から徒歩17分
京阪『宇治駅』から徒歩8分
京阪バス『京阪宇治停留所』から徒歩8分
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